御教え『結論』

「結核問題ト其解決策」(昭和17年)

以上のごとく、結核の原因及び結核増加の真因並びに本医術の効果等、各般に渉って説いたつもりであるから、読者は結核の正体を充分突止め得たと共に、何ら恐るべきものではない事を知ったであろう。

そうして、右を要約すれば、病気なるものは浄化作用である事、特に結核は旺盛なる浄化作用であるから、元気旺盛なる青少年時代に発病するものであるという事、結核菌は絶対伝染しないという事、必ず全治するという事等である。

又、浄化作用という事を知らない西洋医学は、その療法のことごとくが、折角溶解し始めた毒素を再び固むるのを目的とし、それ以外の何物でもない事。即ち浄化発生以前の擬健康に還元させる事を以て、唯一の治療目的としている事。故に、その結果として多くは再発の危険がある事。又、固結法を行うについては、絶対安静法、薬剤その他の方法等により、多額の費用と長事実を要するを以て、国家にも個人にも、莫大なる負担を蒙(こうむ)らせる事。

次に、幼時及び少年時代、先天性毒素の浄化作用発生の場合、医療によって固結させ、薬毒を追増させ、ついに腺病質たらしめる結果、青年期の活力旺盛時になると、急激な浄化作用又は執拗な浄化作用が発生する。その場合医療は、誤診誤療によって、多くは不幸な結果に陥(おちい)らしめるという事実。

近時盛んに予防注射と称して、血液中に異物を注入する。それが浄化作用によって一局部に集溜固結する。しかるに、体位錬成又は強制労務等の強労働をさせる。その結果、右固結に浄化作用が起こり有熱者となる。それに対し早期健康診断の名の下に診査をなし、有熱者の発見となり、これらを結核容疑者又は解放性結核患者となし、診療又は隔離させる。これが為生産を阻害し、人的資源の消耗等、現在の国家目的に対し、すくなからぬ悪影響を与えつつある事。

又、自然発生の病菌であって、絶対に伝染の憂いなきものを伝染するものであるとし、繁雑極まる防止法を行い、それが為個人生活の不安や能率の低下は固より、国家全体が無益なる支出と施設を行わせしめらるる事。

右のごとく真相を知ってみるとき、国家の為、一日も忽(ゆるが)せに出来ない大問題であって、まことに憂慮に禁(た)えないのである。しかしながら、私は結核に対し、完全に解決なし得る対策を示したのであるが、これをいかにして国民全般に知らしめ又は応用するかという事は、政府当局者はじめ、それぞれの専門的権威者又は指導者があるのであるから、それらの人士が、国家の為奮ってこの医術の研究と、これに携わる事を冀(こいねが)って熄(や)まないものである。