御教え『最後の審判』

「光明世界」3号、昭和10(1935)年5月21日発行

観音力即ち「東方の光」は、今後、月日の経つに従って、これが段々、拡がって行くのであります。そうなりますと、人為的でなく、自然的に世の中が、変って行くのであります。それは、あらゆる方面に渉って、間違った事や、悪に属する事が、やれなくなって来るんであります。

総ての混乱は打断られ、あらゆる逆事(さかごと)が、是正され、人も物も本当の姿に、立直るのであります。例えば、政治にしても、もし政党が間違っておって、有害無益の存在であれば、どうしても解消しますし、又、間違っておる事に、気が付いて、本来の正しい使命に還(か)えり、社会一般からみて、有益なる存在となれば、解消しなくとも済む事に、なるんであります。

ここで、一寸ついでですからお話しますが、立憲政治にしても、政党政治にしても、その形体組織は、何しろ人類が、長年の間、研究をした結果、練りに練って出来たんでありますから、実に良く出来ているんであります。けれども、それを運用する人間の心が、間違っているので、折角の組織形体が、非常に不完全の様に見えるのである。であるから、私共は、形式は次にして、まず人間の心の改造、それが先だと思うのであって、この人間の心を改善するという事は、立法機関では駄目なんで、これこそ、宗教家の受持でなくては、ならないと思います。

しかるに、今日の宗教家は、そういう方面に薩張(さっぱ)り無関心なのは、実に遺憾であると思います。それもこれからは、観音光に依って、革(あらた)められて行くのであります。

又今までは、総てが乱れておりましたから、その人、本来の資格が、地位と合っていない事が、沢山あるんであります。そういう事も是正されるんで、例えば、局長位の資格の人が、正しくない手段で、大臣にでもなっておれば、それは矢張り下へ降りて、本来の局長になり、又局長でも大臣になるべき資格があれば、蔭の運動等をやらなく共、大臣になるんであります。

又、宗教にしても、インチキや間違った事をしておれば、どしどし滅んで行くし、それを自覚して、悪を革め、善に立還れば、再び伸び栄えて行くんであります。

敢(あえ)て人間が傍から、これを審判(さば)こうとしないでも、自ら審判かれて行くんであります。これが「観音力」の偉大なる「力の顕われ」であります。ですから、観音様に、お任せして置けば、今言った様に、自然に悪いものは、解消してしまうのであります。

今日まで、何百年も何千年も、間違って来た事も、沢山ありましょうが、今度は、赦されないのであります。

善悪の解決が、付いてしまうんであります。例えば、世界的に言えば、英国なんかが、今日まで印度や、その他の植民地を自由にしていたんでありますが、これらも、本然に立還るとすれば、それぞれ、独立をさせるか、又は、某国の自由意志にさせなければ、ならない事に、なるのは、当然であります。否、その場合強国は、その植民地へ対して、今までの罪を謝し、適当の賠償金を仕払わなければ、ならない事になるでしょう。印度のごときは、今までに少くとも百億以上という、富は、搾取されたのですから、いずれは、印度へ返還しなければ、許されない事になると思うのであります。

又、日本は、「世界を統一」すべき使命があって、日本の天皇様が、統一の御中心にお成りになる事に、なっているのであります。これも世界の大平和の為であって、個々分裂していては、争いが絶えないからして、どうしても、中心に依って、統一されなければならないのは当り前の事であります。こういう様に、一切の清算、世界的大清算が、行わる時が来るんであります。この、清算は、本当から言いますと、九千年間に渉っての、あらゆる清算であります。この九千年については、いずれ別に、詳しくお話する考えであります。そしてその結果、森羅万象一切が、時処位を得て、「本然(ほんねん)」に立直った時が、五六七の世、大光明世界なのであります。

それからが、永遠の平和であり、万民和楽の地上天国に、成るのであります。

私は大胆に、未来の事をお話致しましたが、これは人間が考えたり、私の出来心等で、言うのではないのであって、遠き神代の時代に、主神(すしん)が既に定められてある事が、いよいよ出て来るのであって、どうする事も出来ない、時期になったのであります。ですから、一日も早く、悪を捨て、善に立還るより、仕様がないのであります。

観音力について、大きい方面の事は、別にお話を致しますが、小さいたとえを一寸お話すれば、ここにあるこの大黒様でありますが、昨年の十二月三十一日に、ここへ来るという事は、定っていた事なんであるから、祀っておった、山田さんが、いくら手離すまいとしても、たとえ、大富豪が、何十万の金を出そうとも、どうする事も出来ないのであります。

そういう絶対力で、行(や)られるのでありますから、人間の力では、どうし様もないのであります。でありますから、一日も早く、光明世界の団体の一員となって、この、栄誉ある「大光明世界建設」の大事業に、加わる事程、生甲斐のある仕事は、何千年来ない事であります。でありますから、悪魔の方では、これは堪らないと、極力妨害しようと、しているんであります。

マッソン〔フリーメーソン〕の陰謀等も、ナカナカ油断が出来ないのでありますが、いずれ最後には、このマッソンも改心して、この光明世界建設に力を協す事になるという事を、私は知らされておるのであります。

こうなるのを一日も早く望んでいる次第であります。(仁斎)