御教え『観世音の本体』

「観音講座㈢」

和光同塵(光をやわらげ、ちりにまじわる)

観音様は人類救済の為にいかなる極悪な者も、獣や虫類に至るまでお救いを垂れられる為、馬頭観音のごとく、お姿を変えられて地獄の者までもお救いになられる。

最高最貴の神様がこんなにしてまでも一切衆生を救われる。およそ人間は神様のお子である為、この苦の娑婆にあえぐ人間達を天国的生活に入らしめんと大変な御努力を遊ばされるので恐れ多い極みであります。何にも捉われず三十三相に化身されて融通無碍(ゆうずうむげ)、円転滑脱(えんてんかつだつ)、対手(あいて)に合せて喜ばれる様にされる。

天台大師の観音原義のはこじつけで解らんが、世の音声を見る、そして救うと言うが、音を見るなぞとはおかしな話で、物は見る、音は聞くのである。要するに事実を解く事が出来ないのである。

梵語=観世音(アバロキテシュバラー)支那の鳩摩羅什(クマラジュウ)が観世音としたのである。

天照皇大御神(あまてらすすめおほみかみ)が御現れになり、天忍穂耳尊(あめのおしほみみのみこと)がお生れになった。この時分に相当に人類はあったが統治は出来なかったのである。

aaaaaaaaaaaa┌─ 左守  国常立尊
天照皇大御神─|
aaaaaaaaaaaa└─ 右守  素盞嗚

国常立尊は忠義というより、実に誠忠無比の神様で力のある神様である。

国常立尊が天下平定の御経綸を申付けられたが、最初は良く治ったが、余り厳格な神様故人民が窮屈になりし為、どうしてもやり切れん様になった。そこを見て取ったのが盤古神王(ばんこしんわう)の子天之若彦命(あめのわかひこのみこと)である。この命が国常立尊を排斥する運動を起したのである。これに共鳴者が非常に多かった。そして盤古神王を押立てんとしたが、盤古神王は善良でおとなしい神様で力がないから、この神を立れば楽が出来るからと、看板に盤古神王を立て、実権は天之若彦命が握り世界統治をやられたのである。この為国常立尊は隠退遊ばされたのである。この御隠退は東北へなされたと成っているが、世界から見ると日本であり、日本からすれば東北である。日本の東北、即(すなわち)艮(うしとら)へ御隠退された為にこの神様のことを艮(うしとら)の金神(こんじん)と申上げるのである。日本の艮はどこか、北海道の芦別山に御隠退になられたのである。又一方幽界では閻魔大王となられたのである。神様は霊分身が御自由である為、幾柱にも別れることが出来るのである。

そこで伊都能売神様は、一方印度にて観音になられ、一方は兄の花姫尊(このはなひめのみこと)(梅の花)となられて富士山に御鎮りになられ、又、一方は金龍となって近江の国の琵琶湖へお隠れになられたのである。その故〔は〕富士山と琵琶湖を邪神に占領されたならば、日本は危険であるからである。富士山はなぜ大切かと言うと、人間で言うと富士山が臍(へそ)であるからである。人間の体としても臍は一番大切なところとすればその意であるからである。この為兄の花姫と成られ、金龍となられてこの二ケ所を守られたのである。

豊雲野尊(とよくもぬのみこと)は国常立尊の妻神様であるが、夫神様の犠牲となられ坤(ひつじさる)の方へ御隠退になられた。坤の方とは鬼界ケ島の事である。日本の西南に当るところである。この神様が思兼尊(おもひかねのみこと)様である。

又一方別れて木の花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)になられて印度に行かれて釈迦となられたのである。木の花咲耶姫命の木の花は桜の花の事である。

天之若彦命が世界統治をされて一時は楽になったと喜んでいた所、天之若彦命は女狂い等始めた為又非常に乱れて終った。

天之若彦命の奥方の若姫岐美命(わかひめぎみのみこと)は非常に貞節な方であったが、いつの間にか素盞嗚尊と恋愛関係を結ばれた。素盞嗚尊はその時朝鮮に居られたので、烏となって行って逢われたのである。於加良洲明神(おからすみょうじん)と言うのはこの神様を祭られたのである。その後に春日明神となられたのである。

音姫尊は素盞嗚尊の奥方であるが、これが乙姫の事である。天照大神様の妹の為弟姫と言うたのを音姫又は乙姫と申されたのである。この神様は観音様と非常に関係のある神様である。

音姫は非常に嫉妬深い神様で、遂に嫉妬の余り龍神となり海の底へ隠れられ、和田津海(わたつみ)の神、大(おほ)和田津海の神、海原姫命(うなばらひめのみこと)とも言うて海底へ龍宮城を造られたのであるが、これは霊界での事であって、海の王様となられたのである。

音姫は非常に欲が深く、又非常に強かったから、世界の宝を集めて海に隠れたのである。宝と言っても霊的の事である。その為地方にある鉱山が出なかったのである。その宝を以って天下の権を掌握しようとかゝったが、女であるから駄目であった。致し方なくその時の支配者を緩けたのである。