「御教え集」26号
昭和28(1953)年10月15日発行
もう一つ気が付かない事に、これは今に書きますが(詐欺時代)というのです。というのは、今の世の中は殆ど詐欺ばかりなのです。そう言うと一寸訳が分からないでしょうが、一番の詐欺は売薬です。新聞広告に盛んに出てますが、読んでみると、〝治る〟とは書いてありません。併しうまく書いてます。〝これはその病気に非常に適合している〟とか、あるいは〝飲むと快くなる〟とか、〝治りを促進する〟とか、〝とにかく病気が緩和される〟とか、そういう事は書いてありますが、〝治る〟とは書いてありません。所がそれで治るかのように思わせようとしているのです。処が実際に於いて治るわけがないのです。薬屋も実際において治らないという事は知っているのです。それで売薬法では、害にならなければ良いという事が条件になっているのです。効くという事は、つまり薬は毒ですから、毒の分子があるほどよく効くのです。だからそれではいけないという規則になっているのです。併し幾らかは効かなければみんな買わないから、ただ医者が盛る薬より毒が少ないだけです。それで、実際には治らないのに、治るかの如くに思わせて金を採るのですから、詐欺取材です。それからもっと酷いのは、お医者が〝あなたの病気は一週間で治る。まあ二週間続けたらよいでしょう〟というのですが、これは始終御蔭話に出てますが、実際にそのとおりになった事はありません。それでお医者も確信があるわけではないので、〝多分治るだろう〟というわけです。併しもしお医者が本当の事を言って〝あなたのようなのは治らない。今迄こういうのを経験しているが、一人も治ったことはない〟というと、メシが食えないから、これは詐欺ではないので、やむを得ない罪悪です。そういうやむを得ない罪悪というのは沢山あります。
[浄霊法講座4-1、薬剤迷信について]