「豪雨に遭うも御守護」

御蔭話 和歌山県K.S. (昭和二七年八月七日)

雨は激しく降りつける中に、傘をさしても只濡れないのは頭のみ、恐怖は募りますが、只もう明主様、光明如来様に一心に御守護お願い申しつつ、御浄霊と共に善言讃詞を何回もくり返しておりました。増水はやむどころではなく、みがかれた石垣を徐々に隠してゆきます。しかも、丁度その問題の石垣の所を通って雨水が滝の様なはげしさで田に落ちております。石が一つ一つ今にも水と共に田に落されそうな激しさ、併し大いなる御守護により、少しの動きもない内に、もう殆んどの石が隠れる程の増水となりました。

「さあ、こうしてはいられない」部屋にある主だった品だけ本宅の方へ移さなければ。そうして母と再び石垣の所に来て見れば、何時の間にか風の向きがすっかり変り、西から風がややはげしく吹き寄せ、波が音を立てて家に当っているではありませんか。「ああ」これでは石垣がくずれるより他はない。私達はすぐ御神前に進み、善言讃詞をおとなえし、明主様明主様と、心でくり返しつつ浄霊の為石垣の方へ馳せつけました。

ああ何たる御守護であろうか、矢張波は立っては居りますが、石垣のすぐ側まで立って来た波が、すーっと音もなく消えるのです。絶対の御守護をいただき、最高神におすがりさせていただいて居ります幸福を、その時程強く感じた事はございません。どんな場合に面しても本当に安心立命、その喜びに浸りつつ、有難い御浄霊を続けておりますと、奇蹟的に一間向うまでで波は全然やみ、ほんとに穏やかな水面を眺めさせていただきました折、とめどもなく胸に熱いものがこみあげてどうする事も出来ませんでした。

夜ふけの一二時、やっと父母三人御神前に進み何時ものお祈りと共に、大いなる御守護のお礼を深く申し上げました。「有難うございます。本当に有難うございます」只それより他にいずる言葉なく胸が一ぱいです。

垂れた頭を更にさげ、今後の御守護のお願いを申し上げて床につきました。先程の心配などもどこへやら、色々と疲れた体は知らず識らずやすらかな眠りに落ちておりました。

翌朝一二日、風は少くおだやかな水面、しかし水は、ほんの少し引きました程度です。又、父は朝のお祈りすみ次第堤防の方へ出かけました。神様に御守護のお願いを・・・・と言い残して、正午まで御守護に御守護を戴きつつ水は石を持ち去る事なく元通りの磨かれた石垣が神の霊衣に包まれた如くに現われました。

私達一家の喜びはたとえようもありません。明主様、誠に有難うございました。大光明如来様厚くお礼申し上げます。

神様の御恵みを限りなくいただけます事のこの上ない喜びに、只心がしめつけられる程の有難さをジーンと身に感じます。

明主様、重ねて深くお礼申し上げます。