「家業にご守護」

御陰話 東京都N.S. (昭和二七年五月七日)

昭和二五年夏、当時小学校五年生の次女が校医から慢性中耳炎、扁桃腺肥大、蓄膿症と誠に数多い診断をされ、是非夏休中に治す様にと言われましたが、以上の病は医者へ行っても難しいと聞いており、困った事だと思っておりました。丁度その頃以前より親しいY先生が時折見えては御浄霊の御話を聴かせて下さいました。併しそれまでは大して気にもかけず、折角御道の御本まで貸して頂いても忙しまぎれに拝見さえせず「又あのおばさん変な事を始めた」と蔭で言っておりました。併し次女が余りにも沢山な病気を一度に言渡されてからは何となく心引かれ、勧められるまま先生と一緒に世田谷の御本部に参りました。そこで次女が御浄霊を頂いておりますのを拝見していますと、先生の掌が子供の体から一尺位離れているのに温かく感じると申しますので吃驚致しました。不思議に思い、いろいろお話を伺いまして病気が体の掃除である事は少しは分らして頂きましたものの、尚変な気持も残って帰って参りました。当時私共一家は戦災を受けてから事業(電気工事)も余り振わず又貸借も悪く、経済的にも非常に苦しい時代でございました。そこで御本部の先生に御話し申しました処「そういう事でも御救い頂けますからよく御願い申し上げなさい」と言われますので、半信半疑乍ら御神体に御願い申し上げてその日は何か心の中が明るく帰宅致しました。主人に今日のお話を色々致し、こちらの神様は病気のみでなく経済的にも御恵み下さる事を話しまして「神様に御願いして参りましたからあの貸金もきっと入りますよ」と本部の先生の受け売りをしました。その侭大して気にも止めずにおりました。処が驚いた事には翌日今まで何度足を運んでも貰えませんでした貸金の一部を、然も交渉していた以上の現金をわざわざ持って来て下さいました。私の様な未入信のたった一度のお願い事が、こんなにも速かにお恵みを頂けるとはどう考えましても人間の力の及ぶ処でないと思わず胸をうたれ、主人と共に顔を見合せ御客様のいられるのも忘れて茫然としてしまいました。これは黙っていては申訳ないと早速御本部へ御礼に上らせて頂きました。その時こそ神様は現実に私達の日常生活を御守り下さるものだと思い、次女の病気もきっと治して頂けるものと信じられました。日が経つに従って次女の病気も快方に向い、最近では殆んど全治させて頂きました。この様な事実に直面して今までの御無礼を御詫び申し上げ、早速私が御守様を頂き、その年の暮一二月三日初めて明主様に御面会の幸を頂きました。その日は只夢中でございました。かくも偉大な御力の明主様と、御歌の如く浜の真砂にも等しい私共が、こんなにもお側近く拝顔の栄にめぐませて頂きました事を誠にうれしく思いました。その御面会を頂きましてから三日目頃より事業の方がどんどん調子よく進みまして、去る七月頃工事を致しました貸金(約四〇万円)が少金乍らも初めて入金の糸口がつきまして、事業の方も現金で頂ける様な仕事が多くある様になりました。主人も次々のお蔭に感激致し、程なく入信させて頂きました。更に御守護を頂き非常に安価にて二階を改築させて頂き、大光明如来様をお迎えさせて頂きました。これより以前主人は三十数年来の難聴でございまして、医者も薬も主人自身あきらめておりましたが、この尊い御浄霊を頂く様になりましてから幾回となく御浄化を戴いておりました。丁度昨年一二月八日の御面会の当日の事、風邪の気味でしたが押して御参詣させて頂きました折、急に鼻血が出まして側に居りました私も吃驚いたしました。それより耳の方がスーッと軽くなりまして、勿体なくも明主様の御声を初めてはっきりと聴かせて頂ける様になりました。かくも偉大な奇蹟を賜わり、有難さに涙を浮べて明主様を伏し拝んで居りました。本人にとりましてこれ程の感激は無かった事でございましょう。

最近は事業も順調に進み、貸金の回収に苦しみました二、三年前の事を思い出しまして、心から感謝申し上げております。又かねがね会長先生には何かと至らぬ私を御導き頂き、朝に夕にどんな御忙しい中でもやさしく御救の道を迷わぬ様に説いて聞かせて頂きまして「明主様への御恩報じは大勢の方々をお救いする事ですよ」と言い聞かせられ、私も及ばず乍ら知合の方や近所の方々に御道の御話を致し何人かを信仰へ御導きさせて頂き、又毎日僅か乍ら病に悩む人を御浄霊させて頂いております。又、つい先日も次の様なおかげを頂きました。今まで私宅には電話が無く、何かと不便でしたので、再三再四電話局の方へ交渉に参りましたが中々神田局は難しく、折角順調に参りますと一寸事故が起り思う様に進みませんでした。併しここにも神様の深い御仕組のございました事を私ははっきり知らせて頂きました。丁度その頃は経済方面も、帳面合って金足らずという通り懐中の用金が自由に無く、もしも電話が架設されました処で借金で支払わねばならぬ状態でございました。処が二月末項にはどうにか良い方に向って参りました。丁度その頃、電話局から局員が参りまして「近い中に加入出来ますょ」と言ってゆきました。心待ちに待っておりました処、御近所の方が、お宅の電話番号は「五六九七ですって」と申されていましたので「この九と七が逆になれば申し分ないのだが」と申しておりました。私宅のお祭は月の五日になっておりますが、その朝の事、突然局から参りまして「今日電話を架設致しますから」と言われたので家中大喜びでした。そしてその局員が「お宅の電話番号は五六七九ですよ」と何気なく言いましたので、我と我が耳を疑い乍ら聞き直してみましたが「五六七九」とはっきり言って下さいました。家中吃驚しました。何という不思議な事でございましょう。この番号が他の家へ行ったからとて、そんなにも喜ばれるわけではなし、私の家にとってはこんなすばらしい番号は又とない。まあ有難いと家中お祭り騒ぎ、今日は又神様の祭日でしかもその日に通話が出来まして、信者さんも早速御利用下さるし、こんなにもすばらしい神様の御守護を深く感じました。尚電話の架設代金も公定価にて済み、又不思議にも今月は経済的にもめぐまれ、何事も順調に進ませて頂きました。

病苦も貧苦も御救い頂き、更に苦しむ人々を救わせて頂き、且つ考える事が思う様に進み、奇蹟の日々を楽しく遇させて頂きます事を只々有難く感謝申し上げております。どうか今後も微力乍らこの尊い御道に少しでも尽くさせて頂きたく念願致しております。ここに拙き筆ではございますが賜わりました御恵の数々を謹みて御報告させて頂きました。明主様、誠に有難うございました。心より厚く厚く御礼を申し上げます。