「世界救世教奇蹟集」昭和28(1953)年9月10日発行
掌を翳しただけで病気が治るといっても、知らない人は本気に出来ないのは無理はないが、左の実例は掌から治病光波が放射されるという事実をよく示しているので、この文を添えたのであるが、この素晴しい光波こそ、御守から施術者の掌を通じて出るのである事が分るであろう。この事実を唯物科学で固った頭の人が聞いても分らないであろうから、実に気の毒なものである。
御陰話 神奈川県S.S. (昭和二七年三月一日)
私はN社A工場に働く者ですが子供の頃より眼が悪く、その為今は亡き母が私の眼病を治さんと大変苦心致しました事を忘れません。トラホーム第一回手術を小学校三年の時、第二回を一人歳の時、第三回二五歳、第四回三四歳の時、共に両眼手術致しました。この私の持病とも言うべきトラホームが浄霊にて教われました報告をさせて戴きます。
私はトラホームに冒される度に、何故自分はトラホームで苦しむのかと疑問に思い、手術の度毎に医者に原因を尋ねましたが確答を与えてくれず「家族の者にトラホームの人は無いか」「食物に気をつける様」「伝染病故洗面器、手拭を別にする様」等言われるのみでした。私は医者の言う通り実行致しましたが昭和二五年二月、五回目の痛苦が始りました。機械工として眼の悪い事は致命的で、少し仕事を続けると眼は痛み、気分はクシャクシャし仕事は思う様に出来ず、その上夜中になると痛みは一層激しくなり、この侭眼が潰れるのではないかと心配致しました。併し私の様な者にも神様の救いの御手がさしのべられました。忘れも致しません。昭和二五年二月一五日の大雪の日、妻の妹が熱海へ御参拝に来たのですが、二、三日泊めて貰いたいと新潟より突然訪れました。その時私がトラホームの手術をする事を話しましたら「兄さん神の力で治りますよ」と早速御浄霊の話を致しましたが、「神でもない貴女が手を翳した丈で病気が治る等と馬鹿な話をするのも程がある」と笑って相手に致しませんでしたが、余り熱心に勧めるので、今考えますと恐れ多い事ですが、腹の中で笑い乍ら妹の前に坐ったのです。
最初頭より浄霊して戴き、最後に眼の浄霊となりました。眼を指で開き、手を翳された時何とも言えぬ感じが致しました。鋭い針の様なもので刺す様な異様な痛みが、間断なくスーッと眼に入って来ました。私は眼の手術の痛みや目薬の痛みは充分体験して居りますが、それとは異った痛みで、涙が出ると共に余りの痛さに「ウーン」と呻き声を出しましたが、浄霊後五分位過ぎますと眼はさっぱりし、頭も軽くなりましたので再度驚きました。浄霊すると何故異様な痛みが、眼に入るのかと疑問に思い、手を翳す所謂浄霊なるものに就いて種々質問し、妹より明主様の話、病気及び浄霊の説明を聞きましたが、今迄考えた事もない別世界の話を聞かされた感じでした。それでもその日より一層話に耳を傾けると共に、持参して来た『地上天国』と新聞を熱心に読みました。毎日浄霊を受けますと眼の疲れは一回毎に減じ、一週間目の朝床の中で眼を開けた瞬間パッチリ開き、頭も軽くなって居た時の嬉しさは何とも申し様ありませんでした。眼病に悩んだ人は誰も体験された事と思いますが、朝起きて眼が開かない程不愉快な事はありません。トラホームが治り、毎朝の不愉快より救われた時嬉し涙が流れ、明主様有難うございましたと御礼申し上げました。日中の仕事中にも疲れを感じなくなり、又夜中の激痛も殆んどなく楽になりましたが、毎日浄霊をして頂いていますと二週間過ぎました頃会社で仕事中腹が痛み出し、夕方帰宅と同時に便所へ行きますと真黒な多量の下痢の浄化を戴きました時は再度驚きましたが、頭が一層はっきりし、身体全体が軽くなり、薬毒と病気の事、浄霊と浄化の事が分る様になりました。三週間目頃トラホーム特有の内瞼内のブツブツは如何と鏡に向い調べますと見当りませんので、子供の様に思わず大声で「トラホームが治った」と叫びました。長年悩んだ眼病を浄霊にて教われました私は、早速三月七日中教会長先生ょり妻と共に尊い御守を拝受させて戴きました。
そして入信後未だ日の浅い私に試練の機会を与えて下さいました。入信一カ月後夜一〇時頃寢ていた長男K(六歳)が突然「耳が痛い」と大声で泣き出しましたので、妻と共に飛起きましたが、妹は既に新潟へ帰った後であり、如何したらよいかと迷いましたが、ハッと気を取り戻し一心に神様に御願いし乍ら一〇分間程浄霊致しますと泣くのを止めて、「治った」「治った」と言いますので、何気なく子供の耳を見ますと耳の穴より木綿糸より一寸太い虫が顔を出していますので早速引出しますと、長さ五粍の赤味を帯びた虫でした。取出した虫を子供に見せますと「お父さんの御浄めも効くんだね」と言われ、妻と顔を見合せ嬉し涙が出ました。私の如き者にも病を癒す力が許され、入信一カ月にして病を治す機会を与えて下さいました事を、神様に感謝致しました。昭和二五年五月一七日、大光明如来様を御奉斎、六月屏風観音様をお迎えし、七月特別な御書体まで戴き、今まで妻子と私は薬と医者と親類の様な間柄でしたが、入信以後は完全に緑が切れ、一家明るく毎日を暮して居りますと共に近所の人を浄霊しお救いさせて戴いて居ります。世の人々はこの有難い御力を容易に信じ様としませんが、私もその一人でありましたので、自分の過去を顧みれば無理もない事と思いますが、私の様に眼病に苦しんでいる人始め、病で悩む人は先ず浄霊して戴く事が健康人になり得る唯一の道と信じます。人智を以て知る事の出来ない神力に感謝するのみです。
今後は一層御用に役立ち得る様祈り、そして努めます。限りない感謝感激を拙い筆にて御礼申し上げます。明王様誠に有難うございました。