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1.『序論』

人類は今日まで実に恐るべき過誤を犯して来た。恐らくこれほど大きな誤算はあるまい。それは何かというと医学である。何しろ人間にとっての最も貴重なる生命を、保持するものとしての重要な存在であるからである。しかるにこれが前記のごとしとすれば、これ以上の大問題はあるまい。従って現在文化の素晴しい進歩によって、人間に与えられているところの、礼讃し感謝しても尽し切れない程の福祉も、この医学によってその功績を抹殺しても、なお余りあるくらいである。ところがこれほどの誤りを今日まで気付かなかったという事は、実に不可解というべきである。ところが神の大愛はいつまでもそれを許されるはずはない。ここに医学の蒙を啓くべく、断乎(だんこ)としてその手段を執(と)られ始めた。すなわち医学の革命である。 続きを読む

2.『現代医学論』

この著を編纂(へんさん)するに当って、私は非常な決心をした。というのは医学なるものの実体を、ありのまま発表するとしたら、何人(なんぴと)も驚嘆せずにはいれないからである。これほど進歩したと思い、世界万民が謳歌し、信頼している現代医学に対し、私は真向(まっこう)から鉄槌(てっつい)を下すのであるから、人類救済のためとは言いながら、まことに忍び難いものがある。しかしながら神は万人の生命を救うべく、私をしてその大任に当らせた以上、私といえども絶対者の命に従わざるを得ないと共に、現在病魔のために地獄の苦しみに呻吟(しんぎん)しつつある人類社会を見る時、その原因が医学の誤謬にある以上、到底晏如(あんじょ)たるを得ないのである。ゆえにもし現在のままの迷蒙を続けるとしたら、人類の将来は果していかになりゆくや、思うさえ慄然(りつぜん)とするのである。 続きを読む

3.『病気を治す方法』

以上によって病気なるものの実体は大体分ったであろうが、ではそれを治すにはどうすればいいかという事である。前項のごとく放置しておけば治るのは間違いないが、それでは非常に時日がかかる。というのは毒素が少量であれば速かに治るが、そういう人は極(ご)く稀(まれ)で、大抵な人は薬毒が充満している。もっとも政府も医師も小学校時代から薬を服めと教育し、奨励し、これが文化のあり方としているのだからたまらない。 続きを読む

4.『固め方法と溶かす方法』

以上のごとく現在までの療法という療法は、ことごとく固め手段であるから、医学の進歩とは固め方法の進歩でしかない事がよく分ったであろう。そうして薬剤以外の方法としては彼(か)の電気、レントゲン、種々の光線療法等、いずれも固め方法であり、氷冷、湿布、塗布薬等も同様であるが、ただ灸点、鍼(はり)、吸瓢(すいふくべ)だけは右と異(ちが)い、刺戟によって浄化中の毒素を患部へ誘引し、一時的苦痛緩和を狙ったもので、もちろん治るのではないから、灸など毎月というように定期的に据えるのはそのためである。このように今日までのあらゆる療法は浄化停止であるから、病を治すのではなく、結局治さない方法でしかないのである。 続きを読む