「水禍より逃れて」

兵庫県武庫郡K.Y

二日間に渡り降り続いた豪雨が二十一日未明より雷を伴い、兵庫県下一帯を襲いました。日頃水量の少ないこの辺の河水はグングン増水し数カ所決壊しました。

私の住んでいる良元村に約三千坪の弁天池という池があります。地形上この辺は傾斜がきつく池は割合高いところにあります。弁天池は山から流れ落ちる濁水 で渦を巻きゴウゴウと水鳴が起きました。雷雨に夢破られた村人達の必死の砂防工事の甲斐もなく、遂に堤防は十五米にわたり決壊口を開けました。

私の家から百米程離れた所で丁度弁天池が約五十米離れた低地に、会員の浦山さんの家がありますので危険とみて、浦山さんの避難の手伝いに行きました。最 初安全な場所へ荷物を運び、すぐ引返してくるともうその時は浦山さんの家へは入る事も出来ませんでしたので私はすぐ自宅へ移りますと、早や水は私の家の玄 関まで来ていました。水量は増す一方なので私は光明如来様の御前に額き心をこめて御願い致しました。そして縁先へ出て、一生懸命浄霊をしますと暫くして、 不思議にも玄関へ来ていた水は、すーと引いて行きました。私は嬉しく思いながらなおも水の引く様子をみていますと、満水の弁天池から余勢を駆って流れ出た 奔流は土砂樹木と共に渦を巻きながら、この良元村の集落は一瞬にして濁流に呑まれました。時も経って一応水が引いた後で、人に聞くと良元村は濁流の中心地 だったそうです。この中にあって私の家は何ら被害もなく無事水禍を逃れる事の出来ましたのは、ただただ観音様の有難い御利益と感謝しています。翌々日二十 三日にいつも御指導を受けている和歌山の中谷先生に御報告するようとのお話でしたので、水禍より逃れ得た喜びと御利益を感謝しつつ御報告させていただきま す。