8.憂鬱感及び麻痺と痙攣

憂鬱感には、種々の原因と種々の症状があるが、最も多いのは頸部及び肩の凝りに因る事である。之は、其項目にある如く、凝りの圧迫によって脳への送血が減少し、脳貧血になる為である。

爰に面白いのは、幼児が常に機嫌がわるく憤(むず)かる事で、医家に於ても、原因がさらに判らないので困難するのであるが、それ等は大抵、肩が凝っているのである。幼児のくせに肩が凝るとは不思議に思うであろうが、事実であるから致し方ないのである。此場合、肩を治療するや、忽ち機嫌が治り、普通状態になるに察ても明かである。又前頭部及び後頭部等に毒素があり、その浄化作用の微熱が常にあるため憂欝の原因となる事もある。次に、胃の付近に毒素があり、その浄化作用の微熱に因る事もある。そうして此症状の原因としては薬毒が多いが、稀には霊的原因もあるから、之は霊的病気の項目に譲る事とする。

次に、麻痺は種々の原因と症状があって、最も多いのは脚気であるが、之は脚気の項目に譲る事とする。其他の麻痺としては、注射の原因による薬毒(之は手指に多いのである)と手術後疵が治癒してから、其付近に麻痺のある事がある。之等はいずれも放置しておけば時日を経るに従って僅か宛自然治癒するものである。又、中風が原因で局部的に麻痺する事がある。之は容易に治癒し難いものであるが、罕には自然治癒するものもある。

次に、痙攣には二種の原因がある。一は、最も急激な浄化作用であって、それは急性高熱の場合で特に脳疾患に多いのである。又、胃痙攣、腸痙攣等も急激の浄化作用である。そうして、幼児の痙攣の場合、その苦悩の強烈なる為、危険をさえ感ずるのであるが、痙攣が致命傷となる場合は殆んど無いといってもいいので、大抵は時間を経れば恢復するものである。

次に、今一つの原因は、霊的であるからその項目に説く事とする。