9.眼病

茲で、眼疾に就ての医学の誤謬を説いてみよう。最も多いとされているトラホーム及び濾胞性結膜炎を採り上げてみよう。之は人も知る如く眼球に異状はなく、眼瞼の裏に発疹が出来るので、トラホームは上瞼、濾胞性結膜炎は下瞼が主である。医学に於てはトラホームは伝染すると謂われているが、之は研究の余地は充分あると思うのである。又、医療に於ては手術が良いとされている。然し、手術は一時軽快しても根治する事は少なく、一、二年後には、大抵再発するものである。よって再度の手術をする。復おこる。復再発するという具合で、漸次軽快期間が短縮され、症状も悪性化し、恰度、手術中毒ともいうべき症状になるのである。そうして右の如き悪性になると、激痛、不快感等堪え難く、眼を開けば非常に眩しく、常に眼を閉じるのやむを得ない状態で、眼球は紅潮を呈し、断えず涙や膿汁が流れ出で、 実に視るに堪えない醜さである。之等甚しき痛苦は、全く手術と薬毒の結果である事はいう迄もない。

トラホームの原因としては、一種の毒素が眼瞼裏から排除されようとして発疹するのであるから、勿論浄化作用であり、気長に放任しておけば治癒するのである。従而、伝染という事は、有てる毒素を誘発、排除させるのであるから、実は可い訳である。

濾胞性結膜炎は、自然に治癒するものであるから、問題にする必要はないであろう。

次に、多い症状として結膜炎がある。之は眼瞼縁炎又は血眼などと称し、眼球が非常に紅潮を呈し、目脂、涙等が溢れ出るのであって原因は、前頭部に滞溜する毒素が浄化作用によって、眼球部から排除されようとするのである。故に、放任しておけば順調に治癒するので、治癒後は、頭脳の毒素が軽減するから頭痛などは軽快するのである。右の理を知らない世人は、点眼薬又は硼酸洗滌等によって浄化作用の抑止をするので、治癒は後れるのみならず、薬毒の浸潤によって、反って増悪し視力障碍さえ起すという例も抄くないのである。

次に、目星も多い眼疾である。之等も毒素が眼球へ集溜、瞳孔表面に固結するのであるが、放任しておけば大抵は治癒するのである。然し此際、点眼薬を施すに於て、固結はより硬度になるから、非常に治り難くなるのである。私が治療の経験によると、全然、点眼をしない患者は二、三回にて容易に治癒するが、点眼をした患者程、治癒は困難になり、長引くのである。

右の外種々の眼疾は、何れも浄化作用による毒素の眼球に集溜するのが原因であって、その毒素の性質と集溜状態、眼球の集溜個所等によって、症状に差別がある訳で、最も恐るべき底翳は、眼球裏面に毒素が凝結する事は、医学に於てもよく知られている所である。

そうして底翳には白底翳、青底翳、黒底翳の三種があって、黒底翳が最も悪性とされている。即ち白 底翳は白色の膿であり、青底翳は青色の膿で、白色よりも悪性である。黒底翳は毒血である。発病後何等の療法も受けず直ちに本療法を施せば、大抵は治癒するのである。

次に、俗に鳥眼と称する夜盲症及び医学上絶対不治とされている色盲は、其原因が霊的であるから、病気と霊の項目に於て説く事とする。右何れも本療法で全治するのである。

次に、悲しくもないのに、涙が自然に出る人がある。此原因に就て医学では涙嚢又は涙腺の故障としているが、私の研究によれば、殆んどは点眼薬の為である。点眼薬をして数年を経ると、其薬液が涙に変化して排泄せらるるのであるから、放任しておけば、点眼しただけの薬液が排泄されて治癒するのである。