『医学不明の流行病』

近来、我国民の中年以上の男女に特殊の疾患があって、それは現在相当多いばかりか、漸次増加の傾向さえ認めらるるのである。そうして此病患は医家が診断すると雖も更に判明しないので、医家は病患はないとさえいうのである。にも係わらず本人は非常に苦痛であるが、如何ともし難いのである。症状はといえば、全身倦怠、頭重、肩首の凝り、物に倦(あ)き易く、根気がなく、何事も気が乗らず、不快感の為、快々として楽しまず、無為にして日を送りたがるという実に哀れむべき症状である。而も外見上、健康そうにみゆるので、周囲の者からは横着の如くみらるるという訳で患者は一層苦痛なのである。

然るに、右の如き症状は、悉く萎縮腎が原因であって、患者の腎臓部を検するに巨大なる毒素溜結が あり、又脊柱の両側、肩、頭、淋巴腺付近、全頭部、腹膜部等にも尿毒の溜結が相当あるのである。故に、腎臓部を第一とし、其他各部の浄化法を行うに於て、毒結減少と共に漸次苦痛は軽減し、畢に溌刺たる元気を取戻すのであるから、患者の喜びは誓えよぅがない位である。 此症状は、中流以上の人に多く、殊に婦人に多いのである。