御教え『辛いものを避ける』

「救世」49号、昭和25(1950)年2月11日発行

よく医学では唐辛子や辛子、ワサビの類を病気に悪いとして止めるが、これは実に滑稽(こっけい)である、もちろんこれらも味覚を助け胃の活動を促すに非常に必要なもので、そのため神様が造られたものである、たとえば、刺身一つ食うにも山葵(わさび)がなければ、いかに不味いかである、納豆にしても辛子がなければ味は半減するであろう。

医学が右のような説を唱えたのは、痔疾の場合からであろう、痔疾は辛い物を喰べると糞便に混じるから肛門を刺戟し痛む事がある、ただそれだけで外の病には何ら影響がないから安心して食べていいのである。

右と同様今一つ面白い事がある、それは盲腸炎の原因が葡萄の種という説がある、私はその事を問われる毎にこう答える、葡萄の種くらいで盲腸炎が起るとしたら柿の種など食うと即死するだろうといって笑うのである。

右の説の出所はこういう事らしい、フランスの某医師が盲腸炎手術の際たまたま葡萄の種を見付けたのでこれが原因と思い、発表したのでそれから右の説が世界中へ拡まったという訳であるから実にナンセンス以外の何物でもないといえよう。