御蔭話 大阪府K.M. (昭和二七年五月一日)
新聞ラジオにて既に報道されました通り、去る二月二八日午前零時半頃すさまじい音響と共に家屋はグラグラと動き、屋内の諸道具は棚から落ちるという状態、すわ大地震かと離れの二階に寝ていました私共は驚いて飛び起きて走り降りました。二度吃驚。店の横の部屋(道路に面せる)は無惨にも目茶苦茶、柱は二本へし折れ、本箱は倒れて、棚の物品は転落、床も落ち崩れてタクシーが乗込んでいるではありませんか。瞬間シマッタと叫ぶ。この部屋には平素次男A(一人歳)と店員Yとが寝て居るのであります。
蒲団の上には本箱ミシン等が折重なって倒れています。さわぐ胸を抑えてそれ等の物を取除いて見ると店員Yが人事不省になっています。早速御浄霊をさせて頂き乍ら「Y!Y!」と呼びつづけますと、やっと正気を取戻しました。次にAをと蒲団を探しました処、影も形も見当りません。一瞬驚きの余り卒倒せんばかり、主人も「A」と叫んだ後は声も出ません。すると突然何を思ったか「御守護だ。有難い」と思わず合掌して居ります。「どうかしましたか」と尋ねますと「不思議だ、全く不思議だ。Aは丁度一〇時頃蒲団を抱いて出て来るから「如何した」と聞くと、「今晩はなんだか下の店の間で寝るのが嫌だから二階で寝ます」と言って上って行ったんだよ。屹度二階で寝ているよ。全く御守護だ。若しここに寝ていたら丁度惨害の中心部だから即死になっていたかも知れない。それに二時間も前に移転させられて居るとは全く奇蹟だ、有難い御守護だ」と感泣致した次第でございます。
さてこの事件に直面して思い起す事はH支部長T先生が御神体初祭の折、「浄化というものは病気だけではない。色々な面に現われるものであって、常日頃から善に向って行為想念共全うせんと努力し、徳を積む事によって霊衣は厚くなり、霊位は向上するものである。そうなれば罪穢は消滅して、如何なる災でも転じて遁れる事が出来る訳ですから、家内中一心に御縋り下さい」との御導きを頂きました事であります。その教えを素直に受け、出来得る限りの御奉仕をさせて頂きつつあった為に、全く一命の危難を寸前に教われた次第であります。殊に「霊衣が厚く守護が大きくなると、惨禍の場面にさえも出会わないものである」との尊き体験を身に沁みて頂いた次第でございます。今更乍ら大光明如来様の絶大なる御威徳に就いては到底筆舌に尽くし得られない事を痛感させられました。主人は北海道、及び北陸方面に菓子問屋の業務を営んで居ります関係上、ラジオ新聞のニュースにより見舞客も多数御越し下さったのでありますが、その節にはこの奇蹟を伝えますと共に、「信仰とはいざという時に御守護を受けるべく平生より身魂磨きをさせて頂いております」と訴え、御導きさせて頂いております。これ全く大光明如来様の偉大なる大御力により、先祖霊なり、A自身の守護霊なりが未然に難を避けしめたものであると確信致しております。勿論一家全部入信致し、光明如来様も奉斎致し、数人の方々を御導きさせて頂きましたが、今後愈々御得意先や同業者にもお話して共に信仰を打樹てたき念願でございます。拙き筆にてこの奇蹟を報告申し上げました。明主様誠に有難うございました。